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2017年6月13日

兄宇迦斯(えうかし)のたくらみ

危うく難を逃れた神倭伊波礼毘古命(かむやまといわれびこのみこと)に天の神さまは、「行く先にはまだまだ荒々しい神々がいます。八咫烏(やたがらす)をつかわすのでそのあとをついておいきなさい。」と申されました。命の一行は八咫烏(やたがらす)に導かれて無事進むことが出来ました。大和(奈良)の宇陀の地まで来ると、そこには兄宇迦斯(えうかし)と弟宇迦斯(おとうかし)という兄弟が住んでいました。一行は八咫烏(やたがらす)を使いに出し、「今、天の神の御子がこの地においでになっています。お仕えする気はないか。」と彼らにたずねました。兄宇迦斯(えうかし)は矢を放って八咫烏(やたがらす)を追い返し、命を討とうと戦いの準備を始めました。しかし、うまく兵が集まりません。そこで「お仕えします。」と偽り、仕掛けを設けた御殿を造り、命をそこに誘い入れようとしました。兄のたくらみを知った弟宇迦斯(おとうかし)は、命のもとに参りうやうやしくお辞儀をして申し上げました。「兄が御子をだまし討ちにしようとしています。」それを聞いた命の供の道臣命(みちのおみのみこと)と大久米命(おおくめのみこと)は、兄宇迦斯(えうかし)を大刀と弓矢でおどし御殿に追い込みました。兄宇迦斯(えうかし)は自分が造った罠にかかり、押し潰されてしまいました。
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